水道水はこうしてつくられる
水道水は、表流水(川や湖沼の水)と、地下水(井戸水や湧水)を原料に、それを浄水処理することで作られています。
浄水法には、次の方法があります。
1. 緩速ろ過法
ろ過池に敷き込んだ何層もの砂利層で水をろ過する方法です。現在の方式にくらべると、ろ過スピードは非常にゆるやかで、1日で深さ5〜6mの水をろ過する程度です。第二次大戦前のわが国では、ほとんどがこの方式でした。
2. 急速ろ過法
基本的に短時間で浄化する方法で、浮遊物を集める凝集剤や、消毒のための塩素など薬品を用いて高速にろ過する方法です。
現在わが国の約74%の浄水量は、この方式で作られています。水需要の拡大によって、この方式に変わってきたのです。

(下図は急速ろ過の場合の水処理のプロセス)
3. 高度浄水処理法
急速ろ過法の欠点(有機物などが残ってしまうなど)を補う目的で考えられた方式で、急速ろ過法に、オゾン処理生物処理活性炭処理などを加えたものです。
通常の水処理に対し、設備、材料を多用するので、費用が高くなり、飲用水以外に使われることの多い水道水に、こうした費用をかけることが必要かといった問題も指摘されています。 処理施設の現状は次のようになっています。
全国では、地下水系の施設が約7割、表流水系が約3割ですが、水道水として送り出される水量で見ると、地下水系が約2割、大規模浄水施設を備える表流水系が約8割となっています。表流水系のお世話になっていることが理解できます。
◎集合住宅やビルの給水について
 戸建て住宅と違い、集合住宅やビルの水道水は、いったん受水タンクに溜められてから、各部屋に送られます。この受水タンク自体の汚れや、各部屋へ配水するパイプが原因で、赤く濁った水(赤水)や、白く濁ったしぶい水(白水)が出ることがあります。
 水道当局としても、こうした問題について、水圧を上げることによる直接給水を検討していますが、旧来の設備では、器具をいため、また水漏れ事故の心配も言われています。