我が国では、浄水器の規格基準は、JIS規格(日本産業規格)で定められており、世界的な展開に対応するため、NSFと提携して構築してまいります。
全てにNSF規格と整合しているわけではありませんが、試験方法など参照し世界的な浄水器の規格成立をめざします。
水道は各国各地域によって独自の水道施設や水道圧等インフラがあり、世界共通というわけではありません。しかし、市民の安全・安心という条件においては変わりません。その意味でNSF規格は世界標準といっても過言ではありません。
NSFインターナショナルは、米国ミシガン州に拠点を置く、公衆衛生の向上を使命として掲げる非営利・非政府機関です。1944年の設立以来、規格を作成し、規格に対する第三者認証を厳格に行うことを積み重ねて今日に至っています。
家庭用浄水器についても1973年に最初の包括的な規格NSF/ANSI 42を作成し、その後も多くの浄水器規格を作成しています。NSF規格、NSF認証は北米以外の地域でも信頼の証として広く知られています。
作成年度 | 規格番号 | 除去技術・対象 | 備 考 |
1973年 | NSF/ANSI 42 | Aesthetic Effect | 活性炭:味・臭い |
1981年 | NSF/ANSI 53 | Health Effect | 活性炭:有害物質 |
1986年 | NSF/ANSI 58 | RO | ROシステム |
1987年 | NSF/ANSI 44 | Softener | 軟水器 |
1989年 | NSF/ANSI 62 | Distillation | 蒸留法 |
1991年 | NSF/ANSI 55 | UV | 紫外線装置 |
2003年 | NSF P 231 | Microbiology | 微生物除去 |
2004年 | NSF/ANSI 177 | Shower Filter | シャワーフィルター |
2012年 | NSF/JWPA P72 | Iodine Radioisotope | 放射性ヨウ素 |
2014年 | NSF/ANSI 401 | Emerging Compounds | 活性炭:副次的物質 |
2022年 | NSF/JWPA P508 | Aesthetic Effect Health Effect Emerging Compounds |
低水圧地域向け、 活性炭:味・臭い・有害物質・ 副次的物質 |
我が国では浄水器の規格基準はJIS規格で定められていますが、浄水器協会メンバーの世界的な展開を視野に入れ、浄水器協会は1990年代からNSFとの協力関係を築き上げて来ました。そして2012年には放射性ヨウ素除去に関する規格をNSFと共同で作成しました。東日本大震災の時の放射性ヨウ素問題がきっかけでした。
また現在は、北米に比べて水道水圧が低いアジアなどの地域に適した評価方法を取り入れた家庭用浄水器規格を共同で提案しようとしています。